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「あそびまなび」を開催しました


 正式開設前のオープンイベントとしてゴールデンウィークの10日間(2019.4.27~5.6)、「あそびまなび」を開催しました。急に開催を決めたこともあり、半数の日程が子ども1人、大人1人という状態でした。ですが、気持ちの赴くままにいろいろ歩き回ると、いろいろな人や自然との出逢いがありました。

 特別な企画やイベントをほぼ用意することなく、その場にあるもの、気持ちの赴くままに行ったところにあるもの、誘われるがままにやってみたことから、さまざまな「あそびまなび」が生まれてくるのを目の当たりにしました。詳しくは、Authentic Life ScoleのFacebookページに書いてきましたが、こちらのブログにも転載しておきます。

 

「1日目」2019.4.27

朝からあいにくの雨降りの日。
我が家の娘だけの参加になったので、

のんびりとした一日に。
午前中は、雨の合間をぬって、

坪山登山口にある児童公園まで三輪車で移動。
ブランコ遊びをしたり、

登山客や釣り人に「こんにちはー!」と挨拶して

手を振ってもらいながら遊ぶ。

 

午後は町にある図書館に移動。
小さなキッズスペースで絵本を読んでいたら、

3歳の女の子が笑顔でやってきた。
初めて会うけど、「一緒に絵本読もー!」と誘うと、

大型絵本を読んだり、二人でかくれんぼを始めて大喜び。
ちょっとはしゃぎ過ぎて大声を出すときもあったけど、

「図書館ではどうするんだっけ?」と聴くと、

二人ともちょこんと座り直して絵本をじっと見つめる。

 

図書館で出会った3歳の女の子は

お母さんに「帰りたくなーい!」と泣いて頼んでいたけど、

最後は二人とも「バイバーイ!」と手を振ってお別れ。

 

帰り際には晴れ間も出てきた。

明日は外でもっと遊べるかな。

 

 


「2日目」2019.4.28

今日も参加は娘と二人。
朝のミーティングで、

おやつを買って食べばかりいることを巡り大ゲンカ。
大ゲンカの和解案として、自分でオヤツを作ることに。

 

クッキーを作りたい!と決まり、

朝の散歩から戻り、お絵描きをした後、クッキー作りに。
小麦粉、ココナッツパウダー、アーモンドパウダー、

メープルシロップなどを入れて混ぜ混ぜ。
伸ばして型を取り、オーブンで焼いて出来上がり。
美味しくできて、少し仲直り。

 

午後は風は冷たいけどよく晴れていたので、

坪山登山口にある児童公園まで、

ストライダー(ペダルのない自転車)に乗っていく。

 

公園で一通り遊んだ後、今度は川遊び。
まだまだ水は冷たいけれど、靴を脱いで、足元まくって、

冷たい!冷たい!と言いながら入ったり、

河原の石で、お寿司の台(って何だ?)を磨くという

謎の作業を繰り広げる。

 

そのあと、近くの神社にある急坂を登り降り。
杉のご神木の間から、

山道を自転車で走る人たちに

「ヤッホー!」と大声で声かけ。

 

今日はここで「あそびまなび」は終わりだったのだけど、

近くの家で子どもいる楽しそうな声が聴こえると、

再び「散歩に行きたい!」となり、

放課後編の始まり始まり。
声のする方へ行ってみると、

二つ上の女の子がいたから大はしゃぎ!

二人でストライダーに乗り合って、

急坂ばかりある集落中をひと回り。

 

今日も、最後に思いがけずに出会って遊べて

めでたしめでたし、、、と書きたいところだけど、

家に戻ると

「もっと子どもと遊びたいっ!!」と大声で泣きまくる。

 

大人と遊ぶのも楽しいけれど、

子どもともたくさん遊びたい気持ちが溢れ出す。
たっくさん泣いて大声出して、

鼻が詰るまで泣くと落ち着く。

大人も子どもも、もっと来てくれるといいな。
明日は一人来る予定があるから、

また少し違う遊びもできるろだろうな。

 


「3日目」2019.4.29

今日は、全部で4人。
4歳と10歳、そして大人2人(10歳のコのお母さんと私)。
この学校は、大人も生徒であり先生でもあるのです。

 

朝2人が到着すると、

アローカナの雛6羽とボリスブラウン1羽の鶏と

戯れるところからスタート。
すばしっこい雛を捕まえるのに苦戦。

 

捕まえると、雛がとても小刻みに震えているのに気づく。
ヒヨコのこの小刻みな震えはどうしてだろう?
大きなボリスブラウンは、こうして抱えるんだよ!と

4歳が手本を見せた後、10歳が抱えてみる。
烏骨鶏を家の中で飼っていたこともあるので、

すんなり抱える。

 

そして、早速近くを散歩に。
4歳のコがあそびリーダーになる。
2日目と同じように、坪山登山口近くの公園で遊んだり、

川でお寿司の台づくりしたり、

野イチゴの葉を見つけて、

2人とも、イチゴ好きなんだー、と話したり。

 

神社近くで倒れた大木を見つけ、

ここ登ってみたい!と10歳のコ。
ここまで、家族の中でも一番上のお姉ちゃんだからなのか、

4歳のあそびリーダーのやりたいことに付き合っている

感じだったけれど、初めてやりたいことを主張。
大木の根まで登ってみる。
すると、4歳のコも、私もやりたい!、と挑戦!
でも、とても地面が滑るのと、4歳の踏ん張り力では登れず。

 

家に戻ってお昼ご飯のカレーを、

自分たちで食べたいだけ盛り付けて食べる。
10歳のコとお母さんは、今回はここまで。

お土産に10歳のコが昔着ていた服を譲ってもらう。
その中にヒラヒラのドレスを見つけて、早速試着。

10歳のコは、帰りぎわに、

「私のところもたくさん公園あって楽しいよ!

 川はないけどね」とさりげなく自慢する。
そして、お母さんの提案で、

八戸山登りやザリガニ釣りにも行こう!、と約束。

 

2人が帰った後は、また散歩。
偶然、10歳の男のコと会い、

くすぐり合ったり、大きな背中におんぶして

もらったりする。
また、ワラビが採れる場所をいくつも教えてもらったり、

そのコなりの川での遊び方をレクチャーしてもらう。

 

家への帰り道に、お墓の跡地に寄ると、

何かの丸いタネを見つける。
早速たくさん拾い、「何のタネだろうねー?」と興味津々。
近くの商店でよく挨拶するお姉さんを見つけて、

「これ何のタネ?」と尋ねたけど分からず。
家にかえって、シャベルを持ち出し、土を掘り返し、

早速タネを植えてみる。
どんな花や草が生えるかな?

 


「4日目」2019.4.30

今日は朝から冷たい雨。参加者は娘一人。
それでも、午前中はずっと外を歩いて散歩。

 

川でつがいの鴨を見つけて追いかける。
川に降りれるところがあったし、
長靴履いていたので、じゃぶじゃぶと入ってみる。

入った途端、鴨は飛び立ちいなくなったけれど、
そのまま少し川の中を歩く。

道下がトンネルになっていたので入ってみる。
声を出してみようか、と誘って、
ヤッホー!と2人で叫ぶ。
あれ?何かちょっと違う??
何度も声を出してみて、響く声を初体験。
でも、低音声を出して響かせてみると、
それが怖くなってしまい、外に出る。

 

今日の夕方からは番外編。
3歳、8歳のコがいる家にお泊り。
その前に一緒に温泉に行こう!

4日目は、番外編の方が「あそびまなび」に
なりそうな予感。

 


「5日目」2019.5.1

お泊まりからの5日目。
今日は東京から大人が参加。

 

朝、駅まで迎えに行き、
そのまま泊まった友人宅へ。

さすが公立小学校の先生。
とても自然に3,4,8歳と溶け込む。
蒸し暑い朝の散歩でドングリを拾ったり、
家に戻ってLEGOで作品を作ったり、
歌をうたったり。

 

午後は西原に戻りBBQ。
たらふく食べながら、
子どもたちとあそびまなびしつつ、
合間に教育談義にも華を咲かせる。

 

関わる人や場所、環境が変わると、
あそびもまなびも織り成しながら変わっていく。

 


「6日目」2019.5.2

今日は大人まなびの日。

 

午前中は、昨晩泊まった大人と娘の二人で散歩。
散歩途中、近所に遊びに来ていた
同じ歳の男のコを誘い、連れてきて、
朝ご飯を食べること忘れてあそぶ。

 

一通りあそんだあと、遅い朝ご飯を食べてから
今日帰る大人を駅まで見送り。
車中で、二日間のあそびまなびのふりかえり。

 

午後は、大人5人で「子どもへの性教育」講座。
一緒にやってきた4歳と小学一年生は、
講座の最中、折り紙、お絵描き、追いかけっこ。

大人は、日本における性教育の実態や
性虐待、未成年者への性犯罪の現状、
幼少期や小学生の子たちに
具体的にどう性についてを伝えていくかなど、
レクチャーと実体験からの質疑を行う。

 

いままさにこの時こそ、
性について子どもたちと話していく時なのだ、
という実感を持つ。
あっという間に、
予定大幅オーバーの2時間が経つ。

 

講座の後は、公民館の建物付近で、
子どもも大人も交ざって探検。
ここを登ると何があるのかな?
何が見えるのかな?
きっと何かがあるに違いない。
好奇心のままにあちこち探検。

 


「7日目」2019.5.3

またまた昨晩から泊まりにきてくれた
家族がいたので、
朝から子どもたちで散歩から始まる。

 

いつもの公園まで行く。
途中でケンカして、一人坪山登山道を探検に。

初めて登る登山道。
この先何があるんだろうねー!と
何度も言いながら、駆け足で登っていく。

帰り道には、スマホを借りて、
後ろ向きに歩きながら、登山道の道筋を100枚以上撮影。

 

午後は一人になったけれど、
暖かい日になったこともあり、
予め水着を持って出かけ、予定通りに川あそび。

 

少し寒くなった夕方、
着替えて今度は近くの神社道で松ぼっくり拾い。
「みんなに配るんだー!」と

たくさん集めて服の中に入れる。

 

帰り道に、帰省していた6歳の男のコを見つけ、
早速松ぼっくりを二つプレゼント。
お礼のつもりなのか、
男のコは川で見つけた魚の居場所を
「あそこに魚いるんだよー」と教えてくれた。

 


「8日目」2019.5.4

今日は参加予定が娘以外おらず、
他にも誰かが来たり、泊まる予定もない日。

 

朝は、庭先でおままごとから始まる。
古くなった道具や空き箱、
庭先にある枝や葉っぱ、泥を使ってのお料理。
「こうやって作るんだよ」
「ここに盛り付けてね」と
自分の頭の中にある料理の仕方や盛り付け方を
教えてくれる。

 

その後、車掃除。
はじめは全く関心なく
ぬいぐるみのお世話をしていたけれど、
いつのまにやらテッシュやタオルを使って
車内も車外も磨き出す。
どうすればキレイになるのか。
考えながら、工夫しながら拭いていく。

 

午後は突然の雷雨。
怖い怖いと言いながら、
でもとても気になり外ばかり見て
あっちで光った!こっちで音が鳴った!
どうして光るんだろう?
怖くて嫌でたまらなくても、
好奇心は止まらない。

 


「9日目」2019.5.5

今日も一人のあそびまなび。
とはいえ、朝一番から、
近所の家に泊まりにきている同じ歳のコが
おばあちゃんの制止を何度も振り切り、
「あそぼ!」とやってきた。

 

庭や自転車で
二人交じっているんだか、いないんだか
という状態であそぶ。
この二人の遊び方は、いつも付かず離れずなのかも。

 

午後は歩いていつもより遠くへお散歩。
お昼ご飯を食べたところで積み木遊びに精を出したり、
急坂で寝転がりゴロゴロ転がってみたり、
神社やいつもは通らない裏道を
「ホントに行けるのかなー?」
と言いながら探検。

 

川遊びも満喫した後、
わらび採りから帰ってきた人に興味津々になり
その家に立ち寄る。
煮付けてあったわらびを出してもらい
たくさん食べてご満悦。

 


「最終日」2019.5.6

プレスクール第一弾、
10日間のあそびまなびも最終日。

新興住宅街のコモアまで移動し、
お誘いを受けていたネイチャーゲームへ。


小学生の子どもたちもたくさんいるとはいえ、
ネイチャーゲームのスタッフ含めて、
ほとんどが初めての人ばかりが約30人いて戸惑う娘。

戸惑いを感じつつも、動植物を当てるゲームや
公園にある生まれたての木を観察したり、
葉っぱを使ったカードを作ったり。

 

午後は「ガタンゴトン(電車)に乗りたい」
という希望に沿って、隣駅の上野原駅へ。
結局、電車に乗ることはなく、
駅の中や周りで、
エレベーターやエスカレーターに乗ったり、
行き来する電車に手を振ったり。
運転手さんが手を振り返してくれたり、
小さく汽笛を鳴らしてくれたり、
たまにある反応がより楽しくさせる。

 

そのあと、ネイチャーゲーム中に
抜け出して見つけた"石の公園"へ戻る。
30分くらいしか遊べなかったけれど、
あっという間に大好きな公園になっていたので、
少ししか遊べず心残りだったのだ。

石の公園に着くと、
大きな滑り台にクサリの表や裏から登るなど、
いろんな方法で登り降り。
大きな石がたくさんあるので、
小さな身体を思いっきり使いながら、
登ったり、飛び降りたり。
桜の木の下に桜の実を見つけ、
一心不乱に探して集め、
「みんなに配ろうねー」と言いながら、
たくさんポケットに。

結局、18時の鐘がなるまで、
ひたすら夢中であそびまくる。
___

 

10日間の「あそびまなび」。
半分以上の日は、娘一人だったけれど、
とてもたくさん"あそびまなび"をした。

そこにあるもので、
そこにいる人たちとつくりだす
名前のないさまざまな"あそびまなび"に夢中になる。

 

誰かが用意してくれた遊びや学びもいいけれど、
自分たちでルールや遊び方が
その場でどんどんつくられる"あそびまなび"は
身体や心が遊び尽くすまで終わりがない
とても豊かな時間。

その場で想像しながら、創造していく時間。

 


オーセンティックライフスコーレ設立準備委員会

<所在地> 山梨県上野原市西原5725(寄合処「ま」 内)

<連絡先> 090-9683-0507  担当:川口

<URL> http://www.home-scole.jimdofree.com

 

東京都内まで1時間半の距離にある山梨県上野原市。都市近郊にも関わらず、自然に恵まれた環境にあります。そんな上野原の地で、「自分を生きる」オーセンティックライフスコーレの開設に向けて準備を始めています。学校の理念は『自然共生(じねんきょうせい)』。一人ひとりの子どもたちが本来備えている特長・個性、つまり”自分である”状態のまま、一人ひとりの発達段階・状態に沿い、ありのままでいる子どもたちの中で共に生きていく・暮していく術を身に付けていく環境を提供していきます。