大切にすること concept

理念 philosophy


『自然共生』(じねんきょうせい)

 私たちは、人は本来備わっている特長・個性が活かされること(≒自然)により、最も充実した人生を送ることができる、と考えています。つまり、それは「自分である」「自分を生きている」状態。そして、自分を生きている人たち同士で共に生きることができれば、その時代がどんな時代や価値観であろうと、自らを信じ、他者を信じて暮らし、活動することで、よりよい社会や未来を創っていくことができる。そう信じています。

 子どもたちが幼少期のころから、一人ひとりの発達段階に応じて、「自然共生」の環境の中で過ごしていけるように、私たち自分を生きる学校「オーセンティックライフスコーレ(仮)」は、子どもたちと共に考え創っていきます。

 

 自然は”じねん”と読みます。仏教用語の一つで、デジタル大辞泉によると「ある事物や事態が、外部からの影響力によるのではなく、それが本来的に備わっている性質によって、一定の状態や特性を生ずること。人為が加わらないこと。ひとりでにそうなること。ありのまま。」という意味です。

 また、大地・森・川・動物・植物などの”自然(しぜん)”に触れ合う機会も多くとり、感性を育み、人だけでなく自然と共に生きていくチカラを育む、という意味も込めています。

 

キーワード 5 keys


open  dance  space  feel  slow

 子どもたちと共に生きていくためには、いくつもキーとなる言葉やあり方があると考えています。その中でも、特に、大切にする5つのキーワードです。

 

open

 ひらく。ひらかれている。可能性。何かを目的としない。そのまま。

 

 子どもたちには元々、こうしなければならない、という考えはありません。「こうしたらどうだろう?」「これは何だろう?」という好奇心の塊です。それは、何事にもオープンである状態です。できる限り、子どもたちが持つ好奇心に沿って、やりたいことをやれるような環境つくりをしていきます。

 たとえばルールについて。関わる大人が何かを決めつけたり、決めてもいないルールに従わせようとしたりすることをできる限り無くし、あった場合は改めて考えていくようにします。それは「みんな仲良く、一緒に、笑顔で」といった暗黙のルールも同じです。

 そうではなく、子どもたちの間(内側)で、今、起きていることをそのまま見つめるように努めること。何が起きていても、子どもたちの今、そしてプロセスを信頼するという姿勢で関わります。

 


dance

 今ここから。その場から。即興。常に変化する。変容しつづける。

 

 子どもたちには本来、規則やルールはありません。ですので、子どもたち一人ひとりがありのままの状態、自分でいる状態であればあるほど、いろいろな出来事が起こります。よくケンカもするでしょう。

 何か出来事が起きたとき、どうするか。その場で起きたことそのもの、そして、その出来事に関わったそれぞれの子ども自身に好奇心を向ける。そして、子どもたちにとってどんなことが必要なのか、今、この瞬間から考え創っていく。時には、子供たち同士で、時には大人たちと共に、自分たちで自分が自分であるための約束事を創っていくこともあるかもしれません。

 

 また、「何かがないからできない」ではなく、その場にあるものからやりたいことをやる、やりたいことができるように何かを創っていく、という試みをしていきます。やりたいことすべてはできなくとも、やりたいことをやっていくための一歩目を踏み出していくことを意図して関わります。

 


space

 余裕。ゆとり。あそび。場所。居場所。こころとからだの拠り所。

 

 子どもたちの内側は、いろいろな想いであふれています。今、とても楽しい!と思っていても、次の瞬間には怖い!となっていたり、一瞬一瞬で変化し、同時に、感じていることを、実はずっと内側に持ち続けていたります。小さな身体の内側にあふれんばかりの想いを感じながら、日々生きているのです。

 いろいろなことが気になって、たくさんやってみたくなるし、食べたいものもたくさんある。あれも、これもやりたい。でも、ちょっと怖い。できるかなあ、と不安もあったりする。

 いろいろな想いを感じることを当たり前にゆるされる時間、場所。楽しくても、怖くても、好きでも、嫌いでもいい。どんな想いを持っていてもいい。たくさんの想いや感情を抱きながら、自分たちのこころのスペースを広げていく。そのためにできる関わりをしていきます。


feel

 感じる、感性、五感、第六感、直観。ただそのまま。

 

 子どもたちは思いもよらぬことを始める時があります。「どうしてそれをやりたいの?」と尋ねると、「やりたいから!」と答えます。そう、ただやってみたいから。理由なんてないことも多いのです。それだけ、感性のままにやってみることで、さまざまなことを身に付けていきます。そして、言葉にしてもしなくとも、たくさんのことを全身から感じています。

 感じたことはどんなことであっても、感じたことそのものに良い悪いなどの評価はありません。突然動物が暴れ出して怖くなってしまうこともある。そんな時、つい「大丈夫だからもう一度やってみようと」と伝えたくなりますが、そうではなく、その子が今感じていることを尊重し、自分のタイミングでもう一度やる、やめる、少し休むなどを決められるようにしていきます。

 また、子どもたちが体験を通して、さまざまなことを感じることができるような機会を設けていきます。


slow

 ゆっくり。ゆったり。じっくり。寄り道。道草。回り道。待つ。

 

 子どもたちが何かをやっていると、いつになってもそれができないことがあります。もどかしくなって、「こうしたらできるよ」とつい口に出したり、パッと取り上げてやってしまうことがあります。やり方を覚えることも大切ですが、できないことをどうやったらできるようになるか、どうしてできないのか、と何度も試行錯誤する時間をできるだけもってもらえるようにしたいと思っています。

 その時間は、大人にとってはとても無駄で回り道のように感じるかもしれません。子どもにとっても、もどかしくて、うまくいかないことを嫌だと感じるかもしれません。どんなに頑張ってもできないかもしれません。

 できないことから学ぶ、もどかしくてやるのを諦めてしまうことから学ぶこともあるかもしれません。今できなくとも、将来、できるようになるかもしれません。できる・できないよりも、どうしてだろう?と考える時間をたっぷりとれるようにしていきます。

 


オーセンティックライフスコーレ設立準備委員会

<所在地> 山梨県上野原市西原5725(寄合処「ま」 内)

<連絡先> 090-9683-0507  担当:川口

<URL> http://www.home-scole.jimdofree.com

 

東京都内まで1時間半の距離にある山梨県上野原市。都市近郊にも関わらず、自然に恵まれた環境にあります。そんな上野原の地で、「自分を生きる」オーセンティックライフスコーレの開設に向けて準備を始めています。学校の理念は『自然共生(じねんきょうせい)』。一人ひとりの子どもたちが本来備えている特長・個性、つまり”自分である”状態のまま、一人ひとりの発達段階・状態に沿い、ありのままでいる子どもたちの中で共に生きていく・暮していく術を身に付けていく環境を提供していきます。